工学系見習いの備忘録

工学系見習いの備忘録

YAMAHA SRV250 ルネッサについてのあれこれ

迫真整備部 チェーンオイラーの裏技

 はてなブログでブログ記事を書いていると,時々記事にスターが付けられることがある.そのスターが何故か3個セットで付けられており,気になって調べてみるとはてなブログ特有の慣行らしい.はえ^~などと感心しつつはてなブログのシステムについて見て回っていると,記事のアクセス解析なるものについて目にした.どうやらブログ記事に対するアクセス数や比率について分かるようだ.

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当ブログのアクセス解析を見てみると,「チェーンオイラーを作ろう(提案)」がアクセス数トップのようだ.記事内容を要約してしまえば,チェーンへの自動注油システムを作ったら1週間で壊れた,というものだ.そういえばそのうち作り直すなどと言いつつ完全に放置していたな.

gazella.hatenablog.com

 せっかくの機会なので自作チェーンオイラーのリベンジマッチといこう.

 

 

チェーンオイラーとは

 既に上で述べているが,チェーンオイラーとは走行中にチェーンに自動で注油できる機構のことだ.既製品の有名所さん!?にスコットオイラーというものがあり,これはエンジン駆動時にインテークマニホールド内部の負圧を動力としてオイルを供給するシステムだ.一切の電子制御を使用しないため堅牢で信頼性が高い,そしてお値段も高い.n諭吉という次元なので気軽に手を出せる製品ではない.

 そこでより手軽に自動注油を行うために考案されたのが重力落下式チェーンオイラーだ.これはオイルの供給を重力に任せ,バイクに乗っている時だけバルブを開放して駆動させるシステムだ.自分の性格からして絶対にバルブを閉め忘れることが予想できたため,上述の記事ではソレノイドバルブを使用してヘッドライトに連動して駆動するようにしていた.しかし,このシステムではバイク運転中にソレノイドが事実上のバッ直状態となるため,過熱によってソレノイドが破損してしまった.また,熱によってシーラントが溶けて駐輪場を油まみれにする池沼行為になっていた.

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重力落下式チェーンオイラー

ソフト構成

 さて,前回のチェーンオイラーの問題点はソレノイドに常時電流が流れてしまう点だ.また,単位時間あたりのオイル供給量の調整が難しい.これらの問題を解決するため,今回は簡単な電子制御を導入する.タイマを通すことで1分間に1秒だけソレノイドバルブを開けるといった制御を実現でき,ソレノイドの過熱問題と時間あたりのオイル供給量調整問題の2点を一挙に解決できる.

 電装は次に示す通りだ.電子回路の制御電圧は一般的に5Vなので,まずはACC電源をトランスに接続し5Vへと降圧する.回路中の弱い所でも6Vまで耐えられるそうなのでバッテリ電圧上昇で14V程度まで昇圧されても大丈夫でしょ(適当).

 続いてタイマーICと抵抗・コンデンサをいい感じ(適当)の値で接続する.これによって1分周期でデューティ比97%,つまり1分間に59秒HIGH信号が出力される.さて,このままでは欲しい信号と実際の信号とのHIGH/LOWが逆転しているため,信号の整流も兼ねてシュミットトリガインバータを通す.クッソ適当に説明するなら信号(0-5V)と比較して小さい振幅のノイズを取り除けるNot回路だ.こうして周期1分,デューティ比3%の矩形波が得られた.しかしこの信号は25mAが出力電流の限界であるため,定格12V,540mAのソレノイドを直接駆動することはできない.

 そのため,ソレノイドの電源はバッテリから引き,トランジスタをスイッチとして利用することにより駆動する.トランジスタ単体での電流増幅率が最低40倍であることに加えそもそもICに限界出力を出させたくないため,パルス信号を10mAとした上で同じトランジスタダーリントン接続して増幅率を乗算する.加えて電流値制御のために抵抗を,逆起電力対策にダイオードを配置する.こうして1段目のトランジスタが100mAを流すスイッチ,2段目が540mAを流すスイッチと化し,めでたくソレノイドを駆動できるわけだ.

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回路図作成には水魚堂の回路図エディタを使用.アリシャス!

 

 んにゃぴ・・・色々それっぽいこと書いてるけど電子工作素人がネット情報漁りながら頑張って書いた程度の構成だから信用できないですよねとりあえず・・・(本人も回路の動作原理をよく把握していないから細かい説明は書か)ないです.ネット上に転がってる情報のキメラだから誰でもできるぞ. 

 実際に基板上に実装した回路の設計図がこれだ.ターミナルブロックは表面の左から順にトランス5V側・ソレノイドバルブ・バッテリ・トランス12V側へと接続する.一般的なトランジスタの足はECBらしいが今回用いた2N2222AはEBCとなっている.規格統一して♡

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 ユニバーサル基板上の回路図作成にはmarmeloを使用.アリシャス!(再掲)



ハード構成

 電装・ソフトウェアの方針が決定したので,オイルをチェーンへ注油するための機構を作製する.以前のチェーンオイラーと同様に,オイル貯蔵部と注油ノズル部を別体で作製して燃料ホースで連結する.

 まずはオイル貯蔵部の外観を示す.初号機では容器側面にソレノイドバルブを固定して一体形としていたが,接続部からのオイル漏れを防ぐために手間取ったため今回は別体とした.オイルOUTおよびエアINの穴は容器底面に設け,エアINからのコンタミ混入を防いでいる.逆流防止として容器内部でホースを伸ばしているが,フルバンク停車した暁にはオイルぶち撒け待ったなしだ.

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 容器から伸びた配管はソレノイドバルブを介して注油ノズル部へと接続される.このバルブが先述のタイマで駆動されることで程よい注油量を達成できる.

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 続いて注油ノズル部の外観を示す.この部品はスイングアームエンドのねじ部に取り付けることでスプロケットとノズルとの相対位置を固定するための部品だ.金属管部分は銅やアルミ,何だったらアクリルでもよいが,色合いを統一するために真鍮とした.

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 この部品には曲げた真鍮パイプを使用しているが,パイプをそのまま掴んで曲げると流路が詰まる.そのため今回はパイプに砂を詰め込んだ状態でバーナによって加熱して曲げるという,ある種古典的な手法を採用した.充填が不十分でも砂がパイプの潰れを防ぎ,ある程度の流路を確保してくれるのでお手軽だ.加熱中は熱伝導によりパイプが全体的に熱くなるので,余分な長さを確保しておいた方が加工しやすい.曲げ加工が完了したらパイプカッタで適切な長さに切断する.

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 このままでは加熱部がくすんだ色になって外観がよろしくないので表面を磨く.金属磨きといえば皆様お馴染みピカールの出番だ.スコッチブライトに少量垂らして磨けばどんな金属もピカピカになる.まあ使用環境考えたらこんなことしたところで無意味だがな.

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 ところで前回のチェーンオイラー記事では万が一の事態のために注油ノズル部先端を燃料ホースにしていたが,後になって考えると何の対策もなしにこの構造を採用することはおすすめできない.というのもノズル径が太い場合には,下図(a)に示すようにノズルから外気が侵入してオイルが流れ落ちるのだ.すごく嫌らしい穴だよ.この現象を防ぐためには,図(b)のように表面張力によってオイルがノズル内部に留まることができる径にしてやる必要がある.しかしそんな径の燃料ホースを接続するための構造を新調するのも面倒だ.というわけで今回はノズル先端ではなくノズル内部で径を絞ることでエア流入を防ぐことにした.具体的には図(c)に示すようにイモネジの中央にΦ2の穴をあけ,ノズル取り付け部の真鍮配管にねじ込むだけだ.いわゆるオリフィスだな.Φ2には特に根拠はない,(ちゃんと計算すれば最適値が出るのだろうが面倒すぎるので)ないです.

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取り付け

 実際に車体に取り付け,燃料ホースの接続を行った.相変わらず点滴みたいな見た目してんなお前な.

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 接続が完了したら流路内部に油を満たすためにしばらくソレノイドを開けてやる.ついでにソレノイドバルブがエアインテークを有する仕様だったのでシーラントで埋めてやった.出口側流路内の流体残留を防ぐためなのだろうが今回に限っては余計なお世話だ.もののついでで配管接続部も養生した.シールテープからの漏れはほぼ無いだろうが念のため.

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 電装は車体右側の工具入れに突っ込むことにした.考えられる限りこのバイクの中で最も濡れづらい場所だからな.基板表面をホットボンドで養生し,万が一の雨水流入にも申し訳程度に対応している.

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あとがき

 この感じ,いい感じだで.以前のチェーンオイラーみたいに停車場所がオイルドバドバになることもなければソレノイドバルブが焼き切れることもない.チェーンには常に油の輝きがあってしっかりと潤滑されていることが分かる.難点を挙げるとすればリアタイヤの左側面がオイルまみれになっていることだろうか.僅かではあるがリアタイヤの接地面側にもオイルが付着しており,左側に深いバンク角をとった際にスリップする可能性が微粒子レベルで存在する...?そんな攻めた走りしないし大丈夫でしょ(適当)

迫真整備部 リア回り整理の裏技

 うーん・・・うーーーん・・・

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気に入らん.何が気に入らないかといえばテールランプステーが気に入らない.以前は特に気にならない部品であったが,SRV250シートに変更したことでシート後端部分が露出して目立つようになった.妙に間延びした見た目になっているのでテールランプをよりシートに近い位置に移設する.それに加えサイドバッグ使用時にウインカが邪魔になるので,ウインカの移設とサイドバッグステーの取り付けも同時に行う.

 

 

テールランプステー

 純正のテールランプステーは特殊な形状をしており,そのままでは使いづらい.なのでいくつか金具を使って移設用ステーを作成した.テールランプを通すΦ20キリ,ウインカを通すΦ10キリ,固定ボルトを通すΦ5.5キリをそれぞれ空けた部材を組み合わせたステーだ.ルネッサは振動がエグいので当然ねじロック剤を塗布する.

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  取り付け先はこのフレーム最後端にあるボルトだ.ここが丁度シート後端と一致する場所であり,変な隙間を生じずにテールランプを取り付けられる場所なのだ.しかしこのボルト穴はリアフェンダの固定に使用されているため,そのままでは使えない.

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 なのでぶった切った(サイコパス).(リアフェンダレスで車体がスッキリする可能性)濃いすか?いい加減車体のあちこちをいじりすぎているので,今更不可逆的なカスタムを躊躇ってもどうしようもない.ちなみにリアフェンダはあと1本ボルトを外せば完全に取り外せるが,リア配線の収納も兼ねているため残しておいたほうが何かと便利だろう.

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 邪魔なフェンダが無くなったところで自作ステーを取り付ける.中々コンパクトにまとまって悪くないな.テールランプステーの固定に使われていた穴はドラレコのリアカメラ固定に使うことにした.

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ナンバープレートステー

 さて,純正テールランプステーはナンバープレートステーも兼ねているため,こいつの移設先も考える必要がある.せっかくフェンダを切断してリアをスッキリさせたので,ナンバープレートをぶら下げるような配置にはしたくない.

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 今回はスイングアームから部材を伸ばしてナンバープレートを配置する方式を採用した.このカスタムも見た目の変化が大きく異形感が増してたまらねえぜ.構造は単純で,板材に穴を空けてアクスルシャフトに通しスイングアームに固定するだけだ.角度維持のため,右側のアームはアクスルシャフトとブレーキキャリパ固定ボルトの2箇所で固定する.繰り返しになるがここもねじロック剤が必須だ.フェンダレス化による泥はねがエグそうならここにマッドガードを装着することも可能だ.そのうち先ほど切断したフェンダを取り付けるかもしれないな.

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サイドバッグサポート

 さいごに,ウインカ移設によって空いた穴を利用してサイドバッグサポートを取り付ける.絶妙にリアサスペンションと干渉するのでスペーサで横幅を稼いでいる.今までサポート無しでもホイールへの巻き込みはなかったが,今後はより安全だ.

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リアビュー

 あーさっぱりした.機能的な問題は発生していないので当分はこの状態だな.懸念事項があるとすればリアカメラとタイヤが接触する可能性ぐらいか.

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迫真整備部 タイヤ交換の裏技

 以前にSRV250ルネッサの足回りを(ほぼ)R1-Zに換装するキャストホイール化を行ったのだが,キャスト化からしばらくすると燃費が急激に悪化(-4km/L)した.部品同士の組付けに問題があるわけでもなく悩んでいると,今度はハンドルが尋常じゃない重さになった.

gazella.hatenablog.com

 流石にこの症状には覚えがある.タイヤ空気圧の不足だ.空気圧不足によってタイヤの接地面が増えることにより,タイヤが動くために余計なエネルギーが消費される状態となる.ガソリンスタンドに寄って空気圧を確認すると,前後の圧力が推奨値の半分程度まで低下していた.普通こんなに空気抜けない・・・抜けなくない?と思いながらも空気を充填することで燃費と操作性の問題は解消された.

 

 

 ・・・そう思っていたのだが2週間もすると再び急激な空気圧の低下が発生した.流石におかしいだろうと思ってタイヤを確認すると,

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おっ割れてんじゃーん!お前さっき俺が走ってるときチラチラ空気抜いてただろ.

 このタイヤはR1-Zのホイールに付属してきたタイヤなのだが,トレッド面の溝がしっかり残っているためそのまま運用していた.しかしタイヤの保管期間が長すぎたためか,タイヤの至る所にクラックが生じて空気漏れの原因となっているようだ.この状態で走ればタイヤバーストの可能性もあり危険なので,タイヤを交換する.固着していたアルミキャップを外すためバルブに念入りにダメージを与えたので,エアバルブについても同時に交換する.

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交換部品および工具

 交換した部品は次の通りだ.タイヤはマシュマロマンでおなじみミシュランから販売されているツーリング寄りのタイヤだ.ゴリゴリに攻める走りはしないからな.あっそうだ(唐突)今のルネッサはR1-Zのホイールに換装しているのでこのタイヤを純正ルネッサに装着することはできないゾ.

PILOT STREET RADIAL 【110/70R17 M/C 54H TL/TT】(MICHELIN)
PILOT STREET RADIAL 【140/70R17 M/C 66H TL/TT】(MICHELIN)
チューブレスバルブ TR412(太平洋工業)
エアバルブキャップ(エーモン)
バランスウェイト(STRAIGHT)

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 タイヤ交換にはいくつか専用の工具が必要となるので記載しておく.他にも空気入れと荷締めベルトがあるとよいだろう.

タイヤレバー・リムプロテクタ
ムシ回し(エーモン)
ビードワックス(マルニ工業)

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フロントタイヤ外し

 さて,まずはフロントホイールから作業していく.タイヤ幅が小さいフロント側で一連の作業を試してタイヤ交換の間隔を掴む作戦だな.まずはどうにかしてフロント側を浮かせる.センタースタンドがあると車体前方をベルトで吊っても簡単に安定する.整備の作業性がああ^~たまらねえぜ,やはり三点支持は最高やで.

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 フロントを浮かせたらブレーキキャリパ,アクスルシャフトを外してホイールを取り外す.取り外したらブレーキディスクを傷つけないよう布か何かを敷いて横倒しにする.

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 まずはムシ回しでエアバルブ内部のバルブコアを回して取り外す.これによってタイヤ内部が大気開放され,ホイールから外せるようになる.

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 ここからはタイヤレバーを用いたビード落としを行っていく.画像のようにタイヤレバー2本を凹面を上にして差し込んでタイヤを押し下げ,その間を凸面を上にしたタイヤレバーでこじり,レバー先端をホイールとタイヤの間にねじ込む.

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 実際の作業では片足でホイールを踏み,もう片足でタイヤレバー2本を踏み,手でタイヤレバーをねじ込むと作業しやすい.この作業を全周にわたって裏表ともに行い,タイヤのビードを全て落とす.

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 ビードを落としたらタイヤの片面をホイールの外側へ引き出していく.タイヤレバーをビードに引っ掛け,ホイールのリムを支点として動かすことでタイヤを引きずり出す.この作業ではリムに多大な力が加わるため,リムプロテクタを使用したほうが外観への影響が少なく済む.

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 タイヤ片面を全周取り出したら,タイヤを立ててタイヤとホイールの間にタイヤレバーを差し込む.この状態でタイヤレバーをタイヤ側へ押し込むことでタイヤが外れる.

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 ひたすらタイヤレバーを押したり引いたりしてどうにかタイヤを外すことができた.

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 外したタイヤの側面の様子がこれだ.タイヤレバーでこじった影響もあるだろうが途轍もないひび割れだ.これは空気が抜けるのも当然だな.

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フロントタイヤ装着

 古いタイヤを取り外したので新しいタイヤの装着に移行する.とりあえず新旧タイヤの比較をする.旧タイヤは様々な角度に溝が入り,中央部にも溝が存在する.一方で,新タイヤは基本的に進行方向に対して一定角度の溝のみが刻まれているようだ.どちらもツーリングタイヤとされているがトレッドパターンは多様だな.

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左:SPORT DEMON(PIRELLI)

右:PILOT STREET RADIAL(MICHELIN

 

 タイヤ装着をすると言ったがまずはエアバルブ交換だ.古いエアバルブは再利用を想定していないので,カッタか何かでぶった切って外す.旧バルブなんか長い・・・長くない?これTR413でしょ.基本構造は変わらないのでどちらでもよいのだが,バイクはバルブ付近の隙間が狭く空気入れがしづらいので短いほうが使いやすいだろう.

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 新しいエアバルブを装着する際には,バルブのテーパ部にビードワックスを塗ることでスムーズに装着できるようになる.エアバルブのねじ部にめがねレンチを取り付け,バルブを押し込みながらレンチで引っ張ることで装着できる.

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 エアバルブを交換したら新しいタイヤを装着する.タイヤ装着の際には注意すべき点が2点あり,一つ目はタイヤの回転方向だ.逆方向に取り付けるとせっかくのトレッドパターンが適切に機能しなくなるので注意すること.MICHELINのタイヤ側面にはマシュマロマンが側転しようとするデザインがある.二つ目としてタイヤ重量の偏りを示す軽点マークの位置合わせがあるのだが,外国産タイヤには軽点マークが無いようなので,今回は方向だけ合わせて適当に取り付ける.

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 タイヤ装着は基本的にタイヤ外しの逆工程を行えばよい.まずはタイヤに乗って体重をかけることで半周程度押し込む.

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 残りの半周はタイヤレバーを引っ掛けてタイヤを押し込む.ここでもリムプロテクタを使用することで傷を防ぐことができる.

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 片面のビードをホイール内側に入れたら残りのもう片面のビードも入れていくのだが,この作業はとにかく力が必要となる.最後の四分の一がとにかく入らず死ぬほど苦戦し,なにが悪いのか調べながら頭を抱えていた.何が悪いのかタイヤを観察していると,ビードワックスを塗っていないことに気づいた.この段階までは特にビードとホイールの接触がないため,気づかずに作業を進めてしまった.

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 ビードワックスを塗って無事タイヤをホイールに取り付けた後は,噂に聞くビード上げを行っていく.ただ取り付けただけのタイヤは下画像のようにビードとリムの間に隙間があり,このままでは空気が入らない.ビード上げはコンプレッサを用いた方法が一般的であり,この方法は漏れるより多量の空気を送り続けてタイヤを膨張させるというストロングスタイルだ.さて,一般家庭にはコンプレッサなどあるはずもなく,もう少し知恵を絞った方法を採る必要がある.

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 コンプレッサを使用せずにビード上げを行うためには,ロードバイク向けの1MPa対応の空気入れと荷締めベルトが必要になる.タイヤの外周に沿って荷締めベルトを回して締め込むことでタイヤ側面を膨らませ,そこに空気入れで空気を送ることでビード上げを行う.ベルトを締めてもビードとリムの間に隙間がある場合には,隙間部分を下にしてタイヤを持ち上げて落とすことで隙間が埋まる.ベルト金具の位置を変えたり地面に打ち付けたりタイヤに座ったりと試行錯誤をしていれば,そのうち隙間が全周埋まるのでその段階で空気を入れていく.タイヤの推奨空気圧より気持ち高い程度まで空気を入れることで,ビード上げ特有のバァン!(迫真)という音が2回鳴りビード上げが完了する.

 ビード上げが完了した段階ではタイヤ内部の空気圧が推奨圧力より高い状態となっているが,この圧力をすぐに下げてはいけない(戒め)ビードがしっかりとリムに張り付くよう1日くらい放置したほうがよいらしい.

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 ビード上げが完了したら一旦車体に取り付ける.このとき,ブッシュやスピードメータギアなど,タイヤ回転の抵抗となりうる部品は全て外しておく.この状態でタイヤを何度か空転させると,毎回タイヤがある位置を下にして止まることがわかる.この位置がタイヤの最も重い方向を示しており,この対極の位置にバランスウェイトを取り付けることでタイヤ全体の重量バランスを改善できる.

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 とりあえず養生テープか何かでウェイトを仮固定し,何度かタイヤを回転させて最適な重量を調べる.完全にバランスが取れた場合には,回転させるごとに完全にランダムな位置で停止するようになる.

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 最終的に30gのバランスウェイトを取り付けた.完全にバランスをとれたわけではないが,だいぶ良好な状態となったのでここで終了とした.

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リアタイヤ交換

 各工程はフロントで紹介したのでリア編はダイジェストだ.リア側は外す部品が多くて取り外しが面倒だ.

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 バルブコア外しても一切音がしなかったんですがそれは大丈夫なんですかね・・・クラックがヤバいしどうやらリア側の空気漏れはフロント以上に致命的なようだ.

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 作業に慣れてくるとタイヤ外しはテンポ良く終わるな.

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 さっとエアバルブ交換,タイヤ取り付け,ビード上げを済ませた.リアについてはタイヤ幅が大きい関係でビード上げの際に入れる必要のある空気量が多く,ひたすら空気入れを行わねばならずつらあじ

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 リアは15gのバランスウェイトを張り付けるだけでかなり良いバランスとなった.

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 せっかくチェーンを緩めているので,この際ドライブスプロケットの交換も行う.久しぶりにこの32mmナットと対面したな.

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 以前外すために苦闘して煮え湯を飲まされたので,今回は長さ505mmのロングスピナハンドルを用意して挑んだ.腕長さがn倍ならトルクもn倍で楽勝だな.キャストホイール化している場合にはスイングアーム上につっかえ!棒を挟むことでドリブンスプロケットを完全に固定でき,ドライブスプロケットに力を加えやすい.ホイールとスイングアームに若干のダメージは入るだろうが,この32mmナット外しで溜まるキチゲを考えればやらない手はないだろう.

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 交換先のスプロケットT17スプロケット(XAM)だ.以前にフロントを一丁上げていたのだが,ホイール変更に伴うタイヤ径の減少により最終ギア比が純正に戻ってしまっていた(R18T15-45≃R17T16-45).R18T16-45とR17T17-45ではわずかに後者のほうがハイギア気味になるものの,前者の組み合わせで問題なく走行できていたので大丈夫でしょ,多少(のトルク損失)はね?

gazella.hatenablog.com

T16スプロケットを半端に使って捨てるのも勿体ないのでジャンク箱行きだ.断捨離なんてクソだよクソ!

 

 

タイヤ交換の雑感

 ぬわあああああん疲れたもおおおおおん.慣れていないこともあり,タイヤを外したり装着したりといった作業にだいぶ手間取った.一つひとつの工程が力仕事ということもあり,こつを掴むまでは余計な労力がかかる.まあこの調子なら今後はサクっと交換できそうだ.事前調査ではビードブレーカやらコンプレッサ,ホイールバランサなどが必要と色々面倒で懐が痛む話ばかりが目についたものの,いざやってみると気合さえあればどうとでもなった.だがオイル交換やらブレーキフルード交換と比較すると桁違いにしんどいので,タイヤ交換は工賃に見合う作業といった印象だ.

 

さいごに

 ビバンダムをマシュマロマン呼ばわりするのやめろ.

迫真整備部 シート張替えの裏技

 なんかシートの色薄い・・・薄くない?

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このシートがどんな履歴を有しているのかは知らないが,恐らく一度も張替えされていないのだろう.とにかくヘタっている上に表皮は擦れてツルッツルだ.シートが滑るせいで運転中はとにかくケツが滑っていく.ポリエステル製のズボンでも穿いた日には運転しているだけでストレスが溜まる.見た目も情けないし乗りづらいのでシート張替えイキますよ~イクイク・・・

 

シート変更

 シートを張り替えると言ったな,あれは嘘だ(コ)ルネッサはイタリアンカフェということで細身なスタイルになっている.それはそれで悪くないのだが,バイクはケツが太いほうがエロい(確信).ホイールのキャスト化によってタイヤが太くなっているので,それに合わせてシートも幅広にしたい.

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納車後の(ほぼ)純正状態のケツ

 

 そこでおあつらえ向きなのがSRV250のシートだ.同フレームの車体だけあってシートベースの構造に大きな違いがない.相違点はゴム足の位置が異なる点,ルネッサのほうがシートベース後方が短い点ぐらいだ.ルネッサと比較するとタンデムシート側が太く短い形状で,目指すスタイルに合致する.

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 SRV250のシートをルネッサに取り付けた様子がこれだ.特別加工をすることもなく取り付け可能なのが気楽でいいな.ヘタっている様子もなく丁寧に張り替えた痕跡が確認できるシートなのでこのままでもよいのだが,このシートを取り付けて眺めているとフラットシートにしたい衝動に駆られた.17インチホイール化でローダウンした分のシート高上げも兼ね,この際アンコ盛り&シート張りをやってしまおう.

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シート剥がし

 だいぶ綺麗なシートなので剥がすのは勿体ない気もするが剥がしていく.シートはタッカー針で固定されているので,潰してもよいマイナスドライバなどの板状の道具を用いててこの原理で引き抜く.本記事ではドライバを潰したくなかったので,何のために買ったのかすら忘れたのみを使った.錆びたタッカー針から鉄粉が発生するので,肺を汚染しないよう気をつけること.

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 シートの中身のスポンジは所々かびや変色が確認できた.しかしかびの程度は軽いもので,スポンジのクッション性に影響はなさそうだ.ということでかびの処理はスルーしてアンコ盛りを行っていく.使用するのはこのウレタンスポンジだ.純正のスポンジと比較すると気持ち柔らかいが,およそ似たような硬さだ.

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  さて,まずはアンコ抜きをしよう.

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アンコ盛りなのになんで?(殺意)と思うかもしれないが,シート張替え後の外観をより良いものにするためには必要な作業だ.アンコ盛りをした際に端部に段差があると,シート張り後に凹凸が生じる.これを防ぐためにはスポンジを削って段差を調整しなければならないが,ウレタンチップスポンジは細かい成形を行うとチップが剥離してボロボロになる.そのため,細かい調整を行いやすいシート側のスポンジを削ることで,アンコ盛り境界部分の段差を解消する.

 ここではシート側スポンジを2段に削ることにより,ウレタンスポンジを2枚重ねて乗せるだけでアンコ盛りが完了するように処理した.

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アンコ盛り

 1段目に表面を削って厚さを調整したウレタンスポンジを張り付ける.アンコ盛りについて調べると大抵のブログでG17(コニシ)接着剤を使用していたので,本ブログでも便乗して使った(小学生並の理由).んにゃぴ・・・よくある汎用接着剤って感じなので何使ってもいいですよねとりあえず.

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 1段目の接着が完了したら2段目を張り付ける.予め高さ調整をした甲斐あって,アンコ盛り部分の前後端の高さを揃えることができた.スポンジが接着剤を吸ってしまうため塗り広げづらく,50mlの接着剤を1.5本ほど消費した.

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 接着した後のシートを前方から見た様子がこれだ.上の写真でも明らかなように,ウレタンスポンジは側方にはみ出す大きさで張り付けている.この部分を少しずつ削ることで,シート側面の段差を解消していく.

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 過剰に盛ったスポンジの成形にはダイソー製のステンレスおろし金が適している.このツールについても他ブログで頻繁に言及されているだけあり,スポンジ成形のためにあるかのような使いやすさだ.スポンジ削りの後はお料理にでも使えばいいんじゃない?(適当)ただし,おろし金でスポンジを削れば当然ながら多量の削りかすが発生する.もう部屋中スポンジくずまみれや,気が狂う!

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 スポンジを削ったり継ぎ足したりしながら成形した後の様子がこれだ.立体的な左右対称性を確保するのは難しいが,とにかく視覚と触覚をフル稼働して少しずつ削る.最低でも上面の形状さえ左右対称ならシート張り後の違和感は少ないだろう.

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 さて,どれだけ気合を入れて成形してもウレタンチップ特有の凹凸を除去しきれないため,このままシートを張ると側面がクッソ汚い仕上がりになる.なのでウレタンチップの凹凸を均すために,シート全体を覆うように更にスポンジを張り付ける.凹凸を隠すだけなので,形状を歪めないようあまり厚くないスポンジを接着するとよい.

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シート張り

 スポンジの処理が全て完了したので,いよいよシート張りに移行する.シート張りに必要なのは,合皮レザータッカータッカー針の3点だ.合皮レザーについては平面のまま張り付けてもよいが,後述するしわ発生問題を回避するためには立体裁断を施すことが望ましい.その場合には強固な縫い目を実現するためにミシンの利用がほぼ必須になる.独身男性の家にそんなものがあるわけないだろ!いい加減にしろ!

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 まずはシートの前方および後方の2点をタッカーで留める.とりあえず仮留めしておくだけで作業を行いやすくなる.この仮留めした点を起点として生地を引っ張りながらタッカーで留めていく.左右交互に留めていくとシート上面にしわが発生しづらい.

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 曲率の大きい場所はしわが発生しやすいが,シート裏側にプリーツのような形状を形成して留めることで表面のしわを裏側に寄せることができる.シート張りは文字通りしわ寄せが肝心であり,とにかく目に見えない場所にしわを寄せていくことが重要だ.

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 さて,よほどのパワー系シート張りをしない限り最後の部分に生地の余りが発生する.いくら生地が伸びる素材とはいえ,曲面に平面を張り付けているのだから当然だな.これに対する対処法は3つある.

 一つ目は立体裁断だ.余った生地を切り取り,端部同士を縫合することでしわを解消する.この方法では縫い目部分から雨水が侵入するようになるため,防水ビニルシートを内側に仕込む必要がある.

 二つ目はしわの分散だ.一旦左右のタッカー針を外し,前述の小さいプリーツを多数形成することでしわを目に見えない程度にして分散する.この方法はとにかく面倒なことが欠点か.

 本記事では上述の2種とは異なる三つ目の選択肢をとった.その内容とは・・・

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一か所にしわを集めてそのまま留める.

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・・・は?ウッソだろお前www笑っちゃうぜ!これを対処と言い張る度胸.こういうデザインだからって主張すればバレないんじゃない?(適当)

 

 シート張替え後のシートの外観がこれだ.タンデムシートとの境界部の窪んだ場所は割と細かいしわが残っているのだが,遠目に見ると案外分からないものだな.元のスポンジとウレタンスポンジとの境界面は見えず,いかにも元からフラットだったかのような仕上がりだ.最後のクソみたいな処理に目を瞑れば中々inじゃねーの!?

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フラットシート装着

 擦れて変色したシートは出ていけぇ!(レ)ということで純正改造のフラットシートを取り付けることができた.ウレタンスポンジは若干柔らかいものの単純計算でシート高が40mm増加したため,足つき性は悪化して両足のつま先が地面に触れる程度となった.今までのように倒れそうな時に踏ん張りづらいのは怖いが,見た目のために多少はね?でもやたらシートレールが目立つのは痛いですねこれは痛い・・・

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 改めて現状のルネッサを眺めると,純正から部品を変えまくったせいで本来のスラっとしたイタリアンカフェの印象が薄まってきたな.カフェレーサーも好きだがストリートファイターも好きなので,キャストホイール化や金ピカ足回りによって力強いイメージを目指してきた.そこにフラットシートが加わることにより,スクランブラーのような軽快なイメージが加わった.今のルネッサはカフェ・ストファイ・スクランブラーという好きな要素を詰め込んだいわばエビフライハンバーグ定食なのだ.純血の統一感もいいが混血のカオスもいいぞ.

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迫真整備部 サイドカバーの裏技

 サイドカバーが割れてんだよなあお前(紫外線)のせいでよなぁ!どうしてくれんだよなぁ!?見ろよこの無残な姿をよなぁ!?種から育てたんだぞお前(意味不明)

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 今乗っているルネッサは製造されてから24年経過しているバイクだ.これだけの長時間が経過していれば,樹脂製部品は紫外線に曝され続けることで劣化が進行する.そこに4DN特有のエグい振動による追撃が入ることで部品にクラックが入る.フレームからの振動が加わりやすいヘッドライトカバーにおいても,サイドカバー同様にクラックの発生が確認できる.とにかく剛な固定をされた樹脂部品は割れると考えたほうがよい.

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 クラックを放置すればいずれ部品が割れることが予想される.サイドカバーは右側面はヒューズボックスを,左側面はバッテリをカバーしており,電装系を保護するためには不可欠の部品だ.というわけでサイドカバーを作製する.

 

 んまそ・・・例によって同じことやってる先駆者兄貴いるしこのブログ見て終わりでいいんじゃない?(適当)

www.dyoblog.com

 

サイドカバー設計

 サイドカバーが割れた原因は紫外線による劣化だ.割れる度に作り直すのは御免なので,使用する材料は金属系となる.また,雨水に曝されやすい部品であるから,耐食性に優れる材料が望ましい.金属系の材料で耐食性・加工性・コストを考慮すれば選択肢は事実上アルミ一択だろう.

 そしてサイドカバー形状については,純正部品の曲面構造は全て無視した平面のみの構造とする.これは単純に加工難易度の問題だ.曲げ加工はとにかく設計が面倒な上に大抵は設計通りに加工できない.ベンダーも無しにやればどんな精度になるか分かったものではない.平面だけならアルミ板同士をL字アングルで接合するだけで済むので考えることが少ない.

 さて,上記の方針のもと部品を採寸して設計した結果が次の通りだ.台形の板を中心に5枚のアルミ板を接合する構造となった.上面については電装系を保護するため,フレームに沿うよう特に複雑な形状となった.

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見づらい図面で申し訳🍆!黒が外形線で青が寸法線でスゥゥゥゥ

あっそうだ(唐突)この図面使って何か不都合が生じても一切関知しないのでオナシャス!センセンシャル!

 

 

サイドカバー加工

 設計が完了したので加工を行っていく.まずは中央の台形板を作製する.冒頭のリンク先にあるように,アルミ板はカッターナイフで切れ込みをいれ,プライヤで掴んで曲げることで切断できる.

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台形板が完成したら,その形状に合わせてL字アングルを切断する.それぞれの角の半角となる角度に切断すると綺麗に合わさって気持ちええんじゃ.

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まあ加工誤差が出てやすりがけする羽目になるんですけどね,初見さん.高速カッターがあればこんな苦労は無かった.

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続いて台形板とL字アングルをボルト締結するための穴を空ける.板材のうねりを吸収するために多量のボルト穴を空けているが,各辺に2か所空ければ十分だろう.

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 側面の板も切り出して取り付けた後の様子を次に示す.画像左下にあるように,サイドカバーの車体後方側にはフレームのグロメットのような穴に差し込むためのカエリ付きピンが配置されている.この部分については,M6ボルト,スペーサ,ワッシャ,スペーサ,ナット,ナットの順に組むことで,疑似的にピンを再現した.

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取り付け後の外観

 実際に車体に取り付けた.ボルト頭が目立たないように比較的頭の低いボルトを使用したつもりだったが,思いのほかボルトが目立つ.リベット打ちのような古風なスタイルを期待していたがパンクな外観になってしまった.跨った際に操作を邪魔することもなく,カバーとしての役割は果たしているので及第点か.この部分だけ銀色はかなり目立つため,黒色か橙色に塗装したほうがよさそうだ.

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迫真整備部 シフトペダルの裏技

 SDR200用のバックステップとセンタースタンドを組み合わせたところ,シフトペダル直下にセンタースタンドが来てしまい,つま先を挟み込むスペースが無いという特大ガバが発覚した.

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この問題に対する解決策としてシーソーペダルの採用を思いついたため,実際に設計・制作していく.

 

 

シーソーペダルの機構

 シーソーペダルで検索して出てくる製品は十中八九がクルーザー用だろう.そもそもがシーソーペダルを適用するバイクがクルーザーかカブかの二択で,より趣味性が高いのがクルーザーだからな.さて,こうした車種のシフトペダルは大抵が下図に示すように,回転軸がステップと同軸あるいは近傍に位置した構造となっている.この構造であればシーソーペダル化は容易で,アームを後方に延長してペダルを追加すればよい.

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 4DNの純正シフトペダルも上記のような構造であったが,現在装着しているSDR200用バックステップのペダルは前方の回転軸からステップ側へアームが伸びた構造となっている.この構造の場合には,ステップと同軸で回転する前後に伸びたアームを追加する必要がある.また,アームとシフトペダルの角度が変化するに従ってアーム回転軸からシフトペダルまでの距離が変化するので,このギャップを吸収する機構が必要になる.ピン-スロット構造が単純で扱いやすいだろう.

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シーソーペダル製作

 方針が決まったので早速材料を調達する.今回採用するのは恐らくどこのホムセンでも置いてあるであろうこの長穴付き鉄板だ.穴寸法が妙であまり好かない部材なのだが,無地の鉄板が売っていなかったので仕方なく採用した.板厚2mmでねじり方向の剛性が心許ないので2枚重ねる.

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 2枚重ねて固定したら加工を行っていく.まずは回転軸を通すための穴を空ける.アームの回転軸をペダルと同軸にする設計であるため,大きめのキリ穴となった.更に後方にペダルを装着するための穴を空ける.ペダル角度を固定するため,穴近傍をエンドミルで削り段差を設けている.そして前方にはシフトペダルのピンを通すための長穴を空ける.組立性の観点から長穴は端部まで繋げた.最後に後方の余剰部分を切断して工事完了です・・・

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リベットのような見た目の部品はこの部材専用のボルト頭だ.特殊な段付き形状がスロット穴に引っ掛かり,ボルトを抑えることなくナットを締め付けられる.

 

 アームの次はシフトペダルに加工を施す.デフォルトのペダル部分は邪魔なのでドリルで削り取り外す.アームのペダル装着部と同様に穴と段差を設けてペダルを配置する.ペダルを固定するボルトにスペーサとワッシャを挟むことで,アームと接続するピン部分とした.ボルト頭がステーに干渉しそうなのでそのうち背の低いスペーサを手に入れて交換したいところだ.

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 一通り加工が完了したので組み立てる.ペダルは前後ともやっすい可倒式ステップにしたので,転倒した場合でも走行不能になりづらそう(適当).なおこのステップはいつだったかのミッドステップ作製時に使用した後のジャンクだ.勿体ない精神が役に立ったな.

gazella.hatenablog.com

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 シーソーペダルとしての動作には問題なさそうなので,車体に取り付けて試しに運転してみる. 

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な,なんか・・・(こいつ)駄目だな・・・

シフトダウンは従来通りなので問題ないとして,シフトアップに極めて癖の強い操作を要求されるようになった.具体的にはケツを思いっきり後方へずらし,かかとで思い切り踏み抜くような操作をしないとシフトアップできない.んにゃぴ・・・後方ペダルのほぼ直上にくるぶしが位置しているから当然ですよねとりあえず・・・

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(後方の足の可動域)ないです.

 

 なんだよじゃあ俺が(問題)絶たせてやるか!しょうがねえなあ

というわけで変更案がこれだ.そもそもが足の位置を動かさずにシフトアップしようとしていたことが問題なので,足の位置を思い切りずらすことを前提としたペダル位置に変更する.図に示すように足を引き上げておけば,後方のステップを踏み込む際に無理な姿勢をとらずとも済む.

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 これを実装するため,L字金具を追加することで機構変更を達成する.継ぎはぎだらけの部品でこれぞDIYだな!後方ステップの位置はデフォルト位置で足に引っ掛からず,かつ踏み込みやすい程度の高さになるよう調整する.

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結局ステップ-ペダル間距離は前後ともほぼ同じような長さになった.何だかんだでデフォルトの距離は色々とうまあじな設計なわけだ.

 

 

シーソーペダルの操作感

 構造変更して実際に走ってみるとこの感じ,いい感じだで.時々普通に前方のペダル下につま先を差し込みそうになる操縦者側の問題はあるが,足の操作だけで無理なくシフトチェンジ操作ができるようになった.蹴り上げる操作が無くなるので,長時間のライディングでつま先が痛くなることもないだろう.ただし,追加のL字部品のねじり剛性があまりに貧弱なので改善の余地はある.

 

 

追記

 (薄板重ねた構造は)ダメだやっぱ!シフトアップ側のL字金具くんがひん曲がって使い物にならなくなった.加えて前方アームがマフラーに干渉し,1速へのシフトダウンにクッソ手間取るガバクオリティとなっていた.

  というわけでt4の無地鋼板を買ってきて部品を作り直した.安心と信頼のありがトラス!構造も導入したカチカチ構造だ.また,アーム接続ピンの位置をペダルより上方へと移動したことでアームとマフラーの干渉が解消された.

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迫真整備部 センタースタンドの裏技

 チェンシコチカレタ・・・チェーンの潤滑を保つためオイルを塗布してブラシで磨いているわけだが,当然リアタイヤを回転させながらの作業が必要となる.最初はこのローラースタンドを使用していたものの,リアタイヤの角度が僅かでもずれてはいけないことに加え,ローラー部分にそれなりの抵抗がある使い勝手の悪い製品であった.

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使いやすさを改善するため,ジャッキを用いてのチェーンメンテナンスも行った.この方法であればリアタイヤが持ち上がるので,チェーンへの注油作業は哺乳瓶(レベル)になった. 

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しかし人間欲深いもので,ちょっとした出先でもこの快適さを実現したくなってくる.その欲望を実現してくれるのがセンタースタンドだ.しかし4DNオーナー諸氏がご存じのように,4DNのセンタースタンドは流通量が極めて少なく入手性に難がある.今回は運よくお手頃価格でセンタースタンドを落札できたので,その取り付け作業について示す.

 

 

センタースタンドの構成と取り付け位置

 入手したセンタースタンドの外観がこれだ.大まかに本体・固定用のピン・Eリング・ばねの4個の部品で構成されている.錆びてはいるが普段は見えない部品なのでままエアロ.

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というわけで早速取り付けようと車体下部を覗くと

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・・・なんか邪魔だよなぁ?4DNの純正マフラーは左右出しだが現在は2in1のスパトラマフラーを装着している.そのため本来なら何の部品も存在しない場所をエキゾーストパイプが通過しており,センタースタンドの装着ができない.

 

 

センタースタンドの装着

 というわけで純正マフラーを入手して換装し,センタースタンドを装着した.

gazella.hatenablog.com

ここで注意するべき点は,センタースタンドの装着はマフラー装着前でないと行えない点だ.そこさえ注意していれば,フレームとセンタースタンドの穴を合わせてピンを通すだけの作業なので苦労はないだろう.Eリングはマイナスドライバでこじって外し,プライヤで挟んで装着する方法がお手軽だ.

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 唯一面倒な点があるとすればばねの装着だろうか.ばねの一端をフレームに掛けた状態で他端を引っ張りながらセンタースタンドに掛ける作業を行うのだが,そこそこの力で引っ張らないと装着できない.ギアを1速にいれた状態でブレーキをかけ,ベルトでばねを引っ張ると装着しやすい.

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SDR200バックステップとの相性

 センタースタンド装着したし試走いきますよ~イクイク・・・ん?

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ちょっと待って!シフトペダル直下にセンタースタンドがあるやん!どうしてくれんのこれ?シフトアップの度にセンタースタンドを踏み込むとかいう馬鹿みたいな操作性になったので要改善だ.

 

 とりあえずセンタースタンド収納時の位置を下げるためにラバー部品を撤去し,代わりにM6ボルトを取り付けて高さを稼ぐ.ちなみにこのラバー部品が接触するのはマフラー左側底面であり,この部品のために接触面が用意されている.そこまで計画的な設計をするならセンタースタンドも標準部品でよかったのでは・・・?

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 接触位置の変化によって無事シフトアップできるようになったので早速走ってきた.

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上記の改修により問題なく街中を走れたのでちょっと郊外で遊んでいると,深めのバンク角をとろうとした際に「ガリガリッ」っとやべー音がした.センタースタンドを観察すると僅かにだが地面に擦った傷がついていた.こういった事態になる可能性は想定していたものの,まさかこの程度のバンク角で発生するのかと焦った.

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 以上のようにSDR200のバックステップとセンタースタンドとの相性は最悪であった.万事休すかと思われたが,むしろペダルを蹴り上げなくてもよい機構,つまりシーソーペダルを適用すればすべて解決するのでは,という発想の転換のもとシーソーペダルの設計へと続く.

 

 

センタースタンドを利用したチェーン注油

 そもそもなぜセンタースタンドを装着したかと言えば,どこでもチェーン注油を手軽に行うためだ.確かにセンタースタンドによってチェーン注油は楽になったのだが,純正マフラーがチェーンと被っているため,一度に油を注せるチェーン長さは半減してしまった.あちらを立てればこちらが立たずといった状態で何とももどかしいが,いつでも注油できるメリットのほうが大きいな.

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